建物としての基本的な安全性

2019年9月16日

9月も中旬となり、日中も涼しく過ごしやすくなりました。
一昨日の中秋の名月の素晴らしさには感激しました。

15日時点の人口推計によると、70歳以上の人口は98万人増の2715万人で
総人口に占める割合は21.5%に上ったそうです。5人に1人が70歳以上となり、
世界で最も高齢者の比率が高いということです。


ところで、
グループホームの2階窓から認知症の入居者が転落、大けがをしたという報告があります。
事故の原因は窓が開いてしまったせいだとして、家族が施設側を訴えた裁判で
判決は工作物責任を理由に施設側へ賠償を命じたということです。

高齢化社会における建築界の重要な役割として、
能力が衰えた高齢者を想定した設計配慮があります。

建築基準法にとどまらず、利用者の認知能力や身体能力に配慮して
安全性を確保した建物を目指す必要があります。


今回の認知症高齢者グループホームでの転落事故を巡り
施設側の工作物責任が問われた例です。

事故が起こった建物は木造2階建てで、2012年1月に完成したものです。
定員は18人。1階と2階にそれぞれ9部屋づつの居室がありました。

転落した入居者は事故当時93歳の男性で、
「要介護2」レベルまで認知症が進行。自宅介護が困難となったため
12年8月にこの施設に入居したということです。

入居したのは2階の1室で、部屋には屋外に向けた引違い窓があり、
窓の下端は床から90㎝で、窓を開ければ大人が乗り越えられる高さでした。

男性は入居から約1年後の13年7月末、この窓から4.2m下の地面へ転落。
外傷性多発骨折と診断される大怪我を負い入院。やがて寝たきり状態から
3年後に亡くなられたそうです。

私たち建築に携わる業者にとっても「建物としての基本的な安全性」に配慮すべき
注意義務があることを、肝に命じておかなければなりません。

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