2021年03月30日

土蔵造り

2021年3月28日

桜の花もあっという間に満開です。
この季節になると、現場へ行くにも桜並木がある道を選びます。
桜の花のトンネルを通るのが楽しみです。

少し驚いたのは、大山の麓の日向薬師の桜が3月24日頃には満開でした。
例年は平野部より1週間程度遅いのですが、今年は4・5日も早かったのです。
思いがけず、お花見になり得した気分になりました。


ところで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている
埼玉県川越市の「蔵造りの街並み」は、人気の観光スポットとなっています。

その数多く残る土蔵造り町家の中で最も古く、唯一の江戸時代の建物とされているのが
大沢家住宅です。

1792年呉服太物商の近江屋半右衛門によって建てられたそうです。
それから約100年。1893年(明治26年)川越は大火に見舞われ
町の3分の1以上、1300戸余りの住宅が焼けてしまいました。

しかし、大沢家住宅は残り、川越の商人たちに、伝統的な耐火建築である
土蔵造りの価値を再認識させました。

商人たちは店の再建にあたり、日本橋や神田の蔵造りの商家を手本にし、蔵造りの建物を建てていき、最盛期には川越に蔵造りの建物が100軒以上あったと言われていますが
そのほとんどが、明治の大火以降に建てられたものです。

大沢家住宅は総二階建てで切妻造り平入り、桟瓦葺き。
間口六間、奥行き四間半という大きな店構えです。
腰回りに叩き土を築き、防水壁としています。

蔵造りの街並みの中では、窓の作り方や棟の意匠など外観は地味ですが
それは時代の違いが影響しているのでしょう。

壁の厚さ30㎝。その中は縦横に丸竹を使い、アケビのつるで結んでいます。
内壁の漆喰は耐震性を高めるためにアーチ状になっています。

1992年には3年以上の保存工事が完了し
大沢家住宅は、大火に耐えた誇りを感じさせるかのような威厳と美しさを取り戻しているようです。

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2021年03月15日

『呼吸する壁』

2021年3月14日


昨日とは打って変わって、一日中ポカポカ陽気で春を満喫された方も多かったと思います。
私は午後から地鎮祭へ出かけ、滞りなく終えて帰ってきました。
地鎮祭の時に、土地を守るために「鎮め物」を神主さんからいただきます。
大工道具の七つ道具が入っていて
サシガネ(指金・差金・曲尺)、ゲンノウ(玄翁)、カンナ(鉋)、ノミ(鑿)、ノコギリ(鋸切り)、チョウナ(釿)、スミツボ(墨壷)
です。
工事中に事故の無いようにとの願いからです。

今日のお客様の笑顔がとても良かったように思いました。


ところで、
住宅の壁や天井に使われる日本独自の素材に、漆喰や珪藻土があります。
特に、漆喰は日本の伝統的な左官材料で多くの建物に用いられてきました。

現代の住宅は、外壁はサイディング仕上げ、内壁はクロス仕上げが多いですが、
近年は天然素材の漆喰や珪藻土の人気や注目が高まっています。

2020年12月には、左官技術を含む日本の「伝統建築工匠の技」が無形文化遺産に認定されました。

漆喰と珪藻土の特徴として、
共通しているのは強い耐火性。
また、両者とも多孔質で高い吸湿性があるため、梅雨時や夏場でも湿度を抑える事ができます。
加えて、比較的、夏は涼しく、冬は暖かい環境を実現できます。
また、カビやダニなどの発生を防止したり、揮発性有機化合物を吸着したりする性質もあります。

異なる点は、
漆喰は時間が経過すると自然に固まりますが、珪藻土にはその性質はなく、
そのため、バインダーと呼ばれる凝固剤を添加して固めます。

漆喰・珪藻土は「呼吸する壁」とも呼ばれ、
私も建築材料に、木と共に使用していきたいと思っています。

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